こんにちは、REGOLITHライターの中島です。
本日から新しい連載をスタートしたいと思います。完全に私の趣味からの思いつきですが、テーマは「賃貸の部屋に古道具を取り入れたい!」です。普段から骨董店やリサイクルショップを見つけるとつい立ち寄って、謎の置き物を連れて帰ったりするのですが、棚や椅子などの家具には手を出せずにいました。
しかし、最近一人暮らしを始めたことをきっかけに、インテリアへの興味がぐっと高まり「古道具屋さんを巡りながら揃えていけたら、絶対に楽しいぞ?!」と思ったのです。
長い時間旅行を経て目の前に存在していることにロマンを感じたり、その物が当時使われていた背景を想像しつつ、現代を生きる自分なりの使い方を模索したり。さまざまな角度から楽しみ方を見つけられる古道具を、暮らしにもっと取り入れたい!
この連載では、気になる古道具屋・古家具屋さんを訪ねながら、賃貸のお部屋でのインテリアの楽しみ方をお伝えしていきたいと思います。ぜひ、ゆるりとお付き合いください。
【手始めに照明を替えたいけど、できるのか?】
古道具のお店に行ったら絶対にチェックするけど、買うチャンスがなかったものナンバーワンが照明器具です。間接照明などはまだ手に取りやすいですが、天井の照明はなんとなくハードルが高そう。しかし、部屋の印象を大きく左右するアイテムでもあるので、これは挑戦するしかないです。
照明に関する知識が皆無だったので、まず基本的なところを少しご紹介します。一般家庭で取り入れる照明の種類は大きく3種類に分かれるみたい。
①天井に取り付ける照明
細かく分類すると色々種類があるのですが、「シーリングライト」と「ペンダントライト」が主流のようです。
シーリングライトは部屋全体を明るくするのに適していて、賃貸物件には最初から取り付けられていることが多いと思います。四角や丸のカバーが天井に取り付けられているタイプですね。
ペンダントライトは天井から吊るすタイプの照明です。ランプシェードの形や素材によっても明るさが左右されるので、その部屋の過ごし方に合わせて選んだり、他の照明と組み合わせる工夫をしたりするのがポイントになりそうです。
②間接照明
「間接照明があればおしゃれになる」という安易な持論と憧れがあります。
間接照明とは光のあて方のことで、照明器具の光を直接あてるのではなく、天井や壁などに反射させる方法を指します。部屋を間接的に照らすことでやわらかい光になり、陰影が出やすいので、ムーディな雰囲気が演出できるようです。これは使いこなしたいですね。
③卓上照明
読んで字の如くですが、机や棚の上に設置する照明を卓上照明と呼びます。パソコンや本を読むときなどの作業時に使うものであったり、間接照明にできたりもします。
【高円寺の古道具屋「古道具 権ノ助」に行きました】
照明の基本知識をこさえたところで、実際にお店に行ってみましょう。今回訪れたのは、高円寺駅北口から徒歩2分のところにある「古道具 権ノ助」という古道具屋さんです。
お店に到着すると、店先で店主の遠藤さんが商品のリペアをされていました。「もう少しで終わるから、ちょっと待っててね〜」と気さくに声をかけてくださる遠藤さん、緊張がほぐれました。
おそらくご近所さんや常連さんであろう、通りかかる人たちが遠藤さんと軽く話を交わしては去っていく場面が何度かありました。店内には高円寺のお店のカードやイベントのチラシが置かれており、街に根付いたお店でもあることが分かります。
店内に入ると、大小様々な木製の棚や、陶器やガラスの器、日本の古道具を中心にたくさんの商品があります。見ているだけで楽しくなっちゃいます。
リペアを終えた遠藤さんに、お店のことや照明器具のアドバイスなど、お話を聞かせていただきました。
−高円寺でお店を始めてどのくらい経ちますか?
知り合いが紹介してくれたこの土地で、お店を開いてから13年目になります。それまでは神社の骨董市で7年くらい出店をしていました。仕入れは古物の市場や一般家庭から買い取ったり、解体現場に行ったりなど、色々ですね。修理の知識があったわけではないですが、できる範囲のことは自分で覚えていきました。配送も遠過ぎない地域ではやっています。
−どのような商品を中心に置いていますか?
年代はバラバラで、欲しいと思っていただけそうなものを自分で選んでいますね。特に本棚はよく売れて、小さめのものが人気です。
最近は若いお客さんも増えていて、コップなんかはよく売れます。ちびまる子ちゃんだったり、キャラクターものは懐かしさを感じるのかよく売れます。若い方からすると、斬新に感じるデザインも多いのでしょうね。
−どこか懐かしい気持ちもするし、逆に新しく見えるものもあって、若い人が惹かれるところはありますよね。私もその筆頭です(笑)賃貸の部屋に吊るす形の照明を取り付けたいのですが、可能ですかね?
シーリングという付け替え可能なタイプであれば、大体つけられると思いますよ。売りに出しているものは、対応するように直してあるので。当時のままだとコードなど劣化してしまっているので、使えるようにリペアをして、現代の家の電気口に合うようにしてあります。
−それはありがたいです。契約を確認して、挑戦してみたいです。このつぼみのような形の照明はたまに見かけて、いいな〜と思っていました。なんというか、いつかの時代の定番なんですか?
これは70年代に作られていたチューリップライトですね。今お店にあるのは、そのレプリカです。本物は倍の値段になるんだけど、味わいがまた違いますね。最近人気が高まっているので、レプリカ品も増えています。
−ガラスのランプシェードも気になってます。これはどのくらいの年代のものですか?
昭和初期から戦後30年代くらいじゃないかな。多分吹きガラスで、伸ばして作ったものだと思います。笠が開いてるので、熱がこもらなくていいですよ。丸まっているものだと、ワット数が高いと熱くなってしまうので。LEDなら大丈夫だけどね。
−7畳くらいの部屋につけたいな〜と思うんですけど、明るさ的に足りるものですか?
そしたら、電球は100wくらいのものを使えば十分だと思いますよ。LEDの電球色のものをつけたらいいんじゃないかな。最近の部屋は天井の照明も自分で替えやすくなってますしね。
−なるほど!現代の技術を使えば、まだまだ実用的なことが分かりました。間接照明も欲しいんですけど、何かありますか?
これは卓上照明にもできますし、笠の向きを調整すれば間接照明にもなります。けっこう古いものですけど、綺麗に残っていましたね。こういったスイッチ式のものだと、外側が綺麗でも接触が悪くなって電気がつかないこともあるので。
金属疲労を起こすと折れてしまったりするので、そこだけ気をつければ長く使えると思います。
−(ため息)かっこいい…!めちゃくちゃいいですね。当時の使い方だけじゃなくて、アイデア次第で今の用途に合わせて使うことができるのも、古道具の面白さですね。
そうですね。このライトも元々はランプシェードではなく漏斗(ジョウゴ)なんですよ。どなたかがリメイクして、照明の笠にしたものです。
−本当だ!ひっくり返すと完全に漏斗の形ですね、面白い。全部の商品の話を聞きたくなるくらいです。色々教えてくださってありがとうございます。
個性あふれるお店や人の集まる高円寺、そんな街に佇む「古道具 権ノ助」。店主の遠藤さんは、初対面の私をとてもフラットに受け入れて、たくさんお話をしてくださり、取材とは思えないくらい楽しい時間でした。
とてもフランクな遠藤さんですが、「さっきこの棚を塗り直したんだけど、色味どうかな?」と聞いてくださったり、取手が取れそうなものを見つけるとすぐに直していたり、商品の質にこだわる姿勢がかっこよく、印象的でした。
高円寺に訪れたとき、インテリアを探しているときにはぜひ立ち寄っていただきたいお店です。ちなみに私は、記事内で紹介したスタンド式の照明を購入しました。
次回も家具や道具との一期一会の出会いを楽しみに、レポートをお送りしていきます!
【古道具 権ノ助】
電話番号:090-4917-3292/03-5373-8355
営業時間:10:00〜20:00ごろ(買い付けなどで変更あり)
定休日:月・水中心に不定休
住所:東京都杉並区高円寺北2-9-8 コーセイドーハイツ101
アクセス:JR中央線高円寺駅から徒歩2分
ホームページ https://gonnosuke.wixsite.com/koenji
Twitter https://twitter.com/koenjigonnosuke
Instagram https://instagram.com/koenjigonnosuke